アフターピル(緊急避妊薬)ってなに?


アフターピルはレイプやパートナーの避妊拒否といった性暴力の被害にあった女性にとっては、自らを守るものとして欠かせないものです。もちろん、性暴力の被害にあわずとも避妊の失敗などにより、アフターピルに頼ることになるかもしれません。

それにもかかわらず、“意図しない妊娠“への対処法としてのアフターピルの認知度は思いのほか高くありません。例えば、『ピルに関するアンケート調査』※1によると、アフターピルの使い方まで知っていると答えた女性はおよそ4人に1人に留まり、そもそも存在を知らないと答えた人はおよそ2人に1人という結果になっています。実際に必要な際には緊急性を要するものである以上、必要になってから知るより、前もって知っておくことは大切なのではないでしょうか。

もしかしたら、ここの記事にたどり着いた貴方は急を要しているかもしれません。早速必要な情報を列挙していきます。

<最低限知っておくといい5つのポイント>

1.薬が効くのは72時間以内と言われていますが、1秒でも早く飲む方が避妊効果がある。

2.手に入れられるのは、産婦人科やレディースクリニックなどの病院。

3.アフターピルを飲むと多くの人は3日から1週間のうちに月経のような出血が起きます。100%避妊できる訳ではないので、3週間くらい経っても生理のような出血が来ないときは妊娠しているかどうかを検査することをお勧めします。(アフターピルは避妊のための薬でであって、中絶のための薬ではないからです。)

4.薬の効果は今回限り。また避妊の必要が生じたら、もう一度薬を飲む必要があります。

5.アフターピルの種類はヤッペ法とノルレボ錠の2種類。迷ったら、ノルレボ錠。

・ヤッペ法は約3,000~5,000円と比較的安いですが、吐き気をはじめとする副作用で体に負担があります。また12時間おきに2回飲まなければならない手間があります。(2回目を飲まないと効果が低くなります)

・ノルレボ錠は約15,000円と高いですが、副作用が少ないため体への負担は軽く、飲むのは最初の1回で済みます。またノルレボ錠の方が少し避妊成功率が高いようです。

 

砂時計

<もう少し詳しく知りたい方へ>

妊娠しやすいタイミングは排卵日の5日前から排卵日当日までの6日間です。排卵時に体内に精子がある状態が最も妊娠の確率が高くなるので、排卵日の2日前が一番危険なタイミングといえます。

これに対して、アフターピルは主に二つの効果で妊娠を回避しようとする薬です。1つは、排卵を遅延させ、受精を防ぐというもの。排卵前に体内の精子が死滅してしまえば、妊娠はしません。もう1つは内膜を急激に変化させ、着床を防ぐというもの。仮に卵子が受精して、受精卵となった場合に、受精卵が子宮までたどり着くのが6~7日かかると言われているので、それまでに人為的な生理(消退出血)を起こして、着床を防ぎます。

アフターピルを服用した場合の妊娠率はヤッペ法で、2.6~3.2%、ノルレボ錠で0.7~2.1%と言われています。これに対して、アフターピルによる避妊成功率は80~90%と言われています。矛盾しているかのようですが、そもそも性行為による妊娠の確率は10代~20代前半で約30%です。この数字は排卵日に合わせて計画的に妊娠しようとした場合の確率なので、実際の確率はもっと低くなります。仮に半分の15%として、避妊失敗率の10~20%を掛け合わせると、1.5~3%という数字になります。

この数字もアフターピルの服用が早いか遅いかによって、変わります。薬の服用は早い方が良いようです。WHO(世界保健機関)の調査によると、性行為の直後から12時間以内に服用した場合、避妊失敗率は0.5%であるのに対し、61時間から72時間以内だと4.1%にまで確率が上がってしまいます。性暴力にあったらまずは病院に行くのが賢明かもしれません。

コーヒーメモ

アフターピルを使用する際に、ヤッペ法(プラノバール錠)とノルレボ錠、いずれかを選ぶ必要がありますが、私はノルレボ錠が良いように思いました。ヤッペ法は2人に1人が凄まじい吐き気に襲われるそうです。かと言って服用後2時間以内に嘔吐をしてしまうと、避妊効果が見込めません。更に体を気だるさが襲うそうです。そんな状態で1回目の服用後、12時間後に2回目を飲まなくてはなりません。寝てしまって、飲めなかったというケースが多いようです。当然、2回目を飲まなければ、避妊失敗率は上がってしまいます。絶対に妊娠したくない以上、私なら確実な方を選びたいと思います。

一方、ノルレボ錠はヤッペ法の欠点を改良により克服しようとしたものですから、副作用は少なく、服用も1回で済みます。ただ、高いです。アフターピルには保険が使えないので、料金は病院によりまちまちです。ノルレボ錠は約9,000~20,000円と病院によって幅がありますが、多くの病院では15,000円くらいします。

「緊急事態にお金に糸目をつけずに、より確実な方法を」と言うのは簡単ですが、誰もが金銭負担を無視できるという訳ではありません。1つの解決策として、病院以外でアフターピルを入手する方法があります。具体的にはネット通販によって個人輸入という形で、ジェネリック医薬品を手に入れることが可能です。※2

もちろん緊急時には間に合わないし、効果は自己責任とはなりますが、すぐに病院に行けない状況を想定すると、事前に常備薬として手元に持っておくことは意味があることではないでしょうか。

最後に。性暴力の被害にあった女性にとって必要な支援は多くありますが、その中で重要なものの一つがアフターピルだと思い、今回調べて記事にすることにしました。何かの役に立てれば幸いです。

※1 ORCHID Club. (2012).『ピルに関するアンケート調査』http://www.orchid-club.gr.jp/new/pdf/info_20121228.pdf
※2 ノルレボ錠のジェネリック薬の例;アンウォンテッド72(Unwanted72)、アイピル いずれも約1,800円

(ライター;Oni-Ons)

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